2021.9.30
担当 村井祐太
弊社では、創業から建設派遣業界を20年以上のつながりがあります。また、弊社の代表も元々建設業界の現場監督をやってきており、日々この業界の現場の声を聞いてきております。
その声の中で近年、圧倒的に工事現場担当者が口をそろえて言うのは、人手不足の解消と生産性の向上を解消する為の「建設業界のICT化」が進んでいない事です。
建設業界が現場をICT化にしたい理由は、大きく以下の理由が挙げられます。
●深刻な人手不足
近年、建設業界では就業者の高齢化が深刻な問題となっています。
就業者の約3割が55歳以上、29歳以下が約1割という状況のなか、将来的な担い手の確保が危ぶまれています。建設業が今後も地域インフラの整備・維持という重要な役割を果たしていくためには、人材確保や育成が急務です。
しかし、入職者が少ない理由として、建築業界が「きつい・汚い・危険」という「3K職場」のイメージが強いことが挙げられます。この環境が拭いきれない限り、人の獲得は厳しいかと思われます。
今後の課題としては、建設現場での事故・災害の防止や熱中症への対策はもちろんのこと、電子機器や通信技術といったICT化により、
いかに「効率的・清潔・安全」な職場環境を作っていくかが今後の建設業界の大きなテーマとなるでしょう。
●処理の多い書類やペーパーレスが導入できていない
建設現場で人、お金、安全、工程の全てを管理する現場所長の方たちも口をそろえて、書類の処理に手間がかかるという声もあります。
実際、現場所長の悩みをアンケートで取った結果にも表されています。
[1997年]
1位:書類が多く処理に時間がかかる
2位:必要な工事費の増額が認められない
3位:事故が起こったときの責任が重い
[2009年]
1位:黒字を確保するのが難しい
2位:書類が多く処理に時間がかかる
3位:設計の不備が多い
[2018年]
1位:休暇取得や閉所日の増加を求められる
2位:ICTの活用や時短を求められる
3位:若手の育成が難しい
4位:書類が多く処理に時間がかかる
日経コンストラクション4月9日号特集「名物所長の現場力」から
長年、現場所長から「書類が多く処理に時間がかかる」悩みは続いている状況です。この改善をしていくにも、IT業界の力が必要であり、参入していけるポイントではないかと考えます。
また、建設業界は今でもアナログ的な部分は多々ある状況です。現場でのちょっとした図面の確認も、紙ではなくデジタル端末で行うことで、修正や情報の共有が迅速に行われると思います。
こういった点が、建設業界では、ICT化がなかなか進んでおらず、建設企業もITの技術者が社員で常駐しているわけではないので、各IT企業が建設業界の技術支援が導入のチャンスではないかと思います。
Contact Us