2024年6月28日(金)配信
建設DXのコンサルティング事業などを行うArentが今年4月、
建築設計事務所、ゼネコン、サブコンなど150社以上に対して
BIM導入の効果について調査をしたようなので、今日はその調査
結果を紹介したいと思います。
BIMが建設業界の潮流になると言われて久しいですが、
現状どの程度の企業が導入しどの程度効果を得られているのか、
興味があるところですね。
まず企業のBIM導入状況ですが、
39%の企業が「BIMを導入し活用できている」とありますが
同程度の37%の企業は「BIMを導入したものの活用ができて
いない」と回答しています。
これ両方合わせれば76%ですからBIM効果の有無は別として
企業の3/4は、とにかく「導入はしてる」ってことですね。
また、
「導入を検討中」の企業が7%
「情報収集中」の企業が12%
「特に導入検討もしていない」企業が4%
となっていて合計で23%ですから
企業の1/4は、いまだにBIMに触っていないのかも知れません。
で、肝心のBIM導入効果ですが、
「期待した効果が得られている」32%
「それほどの効果を感じない」40%
「期待した以上の効果を感じない」14%
「効果を測定できていない」14%
との結果なので、7割があまり効果を感じていないようですね。
何となく想像はしていましたが結構多いですね、この比率。
世の中がBIMだBIMだと騒いでるから取り合えず導入はして
みたものの、結局使い切れていない、そんな状況でしょうか。
それにBIMはCADと違って操作がそこそこ難しいし、
普及も進んでないからオペレーターが不足してるってことも
企業がBIMをうまく活用できていない理由の一つでしょう。
またBIM導入で得たメリットは何かの問いに対しては、
「3D可視化によるコミュニケーション」
「理解度の向上」
「データの整合性の強化」
などが挙がったようですが、
まあこれ要するに立体可視と図面の整合チェックでしょうから
本質的なBIM導入効果には程遠い感じがします。
またBIMの課題については、
「既存CADとの組み合わせで二重作業が生じる」
「確認申請で紙やPDFが必要となり手間が増加する」
などが挙がっていますが、
現状BIMの一本化は不可能でしょうから当然こうなりますね。
今後BIMに期待している点は、
43%が「業務の効率化」と回答していますが、
この調査結果を見る限りBIMがその効果をフルに発揮するのは
まだまだ先になりそうです。