2024年2月26日(月)配信
今年の4月から施工管理検定のルールが改正されますが、
1級2級とも実務経験の記載については厳しい内容になりました。
特に面倒なのが、前職で在籍していた会社の証明を得る作業です。
前職の会社が倒産や廃業していたら、どうすればいいのでしょう。
また円満退社ならいいですが、何か揉め事があって退職した場合など
実務経験を証明してもらうのは、大変な作業になるかも知れません。
そこで今回は、この2月に公表されたばかりの受検資料を見ながら、
その辺りについて書いてみようと思います。
※以下、建築施工管理技士の受検資料を引用していますが、
土木など他の種別でも基本的には同じだと思われます。
受検資料に、
【証明書が提出できない場合の代替措置】という記載があるので、
そこから拾ってみましょう。
【証明書が提出できない場合の代替措置】
↓↓↓
「本来の証明者の所在が不明、又は本来の証明者が証明を拒否し、
証明を受けられない場合、証明の代替として以下の書類が必要となります。
①~⑤までの資料が全て揃わない場合には実務経験の証明として
認められませんので、工事の都度、実務経験の証明を取得する等、
事前の準備をお願いします。」
➡前に在籍していた会社が倒産・廃業したりで社長の連絡先が不明など
の場合や、退職時のトラブルで前職会社が対応してくれない、などの場合
を想定していますね。
➡で、面倒なのが代替として指定された5種類の資料「全部が揃わない」と
実務経験が認められない、ということです。
その全部が揃わないといけない資料が以下の5つです。
(1)証明を受けられないことの理由書
(本来の証明者の現況等の説明を含む)
➡まあ、これは普通に書くことができますね。
(2)受検申請者自らを証明者として記載した実務経験証明書
(複数工事をまとめて記載することはできません)
➡こちらも工事毎に実務経験を自分で書けばいい訳ですから大丈夫ですね。
(3)本来の証明者に関する資料(建設業を営んでいたこと等の証明)
(建設業許可番号が分かる資料、または閉鎖登記簿)
➡前職会社が今も事業を継続中ならホームページでも見れば書けますが、
倒産や廃業となると閉鎖登記簿を取得する必要があるので少し面倒です。
(4)受検申請者と本来の証明者との関係を示す資料
(雇用契約書、または労働条件明示書)
➡これ、ちょっと厄介かも知れません。雇用契約書とか労働条件明示書とか
個人でちゃんと保管している人って意外にいないんじゃないでしょうか。
仮にこれがないとなると、給与明細とか振込記録とかになるんでしょうが、
果たしてどこまで要求されるのか。
(5)(2)の内容を十分に推定できる資料
(出張命令書、または経費精算書)
➡これが一番のネックでしょうね。
実務経験を証明できる客観的な資料を出せという意味だと思いますが、
出張命令書と経費精算書は難しいですね。
そもそも工事毎度に、いちいち出張命令出すなんて多くの会社はしない
でしょうし、経費精算も社員が控えを取ってるなんて無いでしょう。
➡更に「複数工事をまとめて記載することはできません」とあるので、工事毎に
それぞれの資料を用意できないとダメです。
とまあ、実務経験については前職の会社が既になかったり対応してくれない
場合は、面倒が多くなるということですね。
ご存じだと思いますが、検定の実務経験の記載で不正があった場合は
資格取り消しや3年間の受検禁止など厳しい罰則が設けられています。
施工管理の実務経験については、これまで様々な不正があったからこそ、
厳しい証明を求められるようになった訳ですが、受検する側はこれまでとは
明らかに違う対応を迫られそうです。