2023年10月13日(金)配信
関東エリアの専門工事会社、学校(工業高校など)、行政(国交省など)の
関係者が集まって、技能職(職人)の育成や採用について話し合いをする
「関東圏専門工事業担い手確保・育成推進協議会」(通称:夢協)が
先月(9月)行われましたが、やはり職人の新卒確保は厳しいですね。
そもそも新卒で職人を採用するとなれば、大卒はまず無いでしょうから、
工業高校の土木科・建築科・電気科などが主になりますが、その工業高校の
校長がこんな事を言ってます。(以下要約です。)
「工業高校への志願者が年々減少している」
「工業高校も就職より進学をアピールしないと志願者が集まらない状況だ」
「今の子ども達は字を読まない。企業は動画配信サイトやドラマ(企業動
画)などを活用した採用手法が必要」
「専門工事業は体力勝負のイメージが根強く敬遠される傾向」
「重機を使う仕事を希望する生徒は殆どいない」
「一人暮らしではなく、実家から通える地元志向が強い」
結構ネガティブですが、工業高校や専門工事会社を取り巻く厳しい環境を
熱心に話していたようです。
「工業高校の志願者が減少し進学アピールしないと志願者が集まらない」
➡っていうことは、つまり工業高校に入っても生徒は大学に進学するってこと
なので、そうなれば大卒就職ですから、職人になる人はほぼいないでしょう。
それに、そもそも進学するなら工業高校自体の存在意義が問われてしまいます。
「今の子ども達は字を読まないから動画配信などの採用手法が必要」
➡というのは、全くその通りだと思いますが、動画を作って編集して配信する
のってホント大変なんですよね。うちでも施工管理チャンネルを運営してますが、
いやいや結構な手間と時間とコストがかかります。それをほとんどが小規模な
専門工事会社にやれというのは酷な話です。っていうか無理だと思います。
「専門工事業は体力勝負のイメージが根強く敬遠される傾向」
「重機を使う仕事を希望する生徒は殆どいない」
「一人暮らしではなく、実家から通える地元志向が強い」
➡この辺は建設業に限らず、いまどきの若い人の相対的な感覚でしょうね。
SNSをはじめとした情報化社会は、どんな仕事も「見える化」してしまうし、
世の中の色んな仕事と建設業を比較できてしまう環境があります。
高卒採用はもう何十年もクローズドな採用システムが続いていて、
会社の担当者が高校の就職窓口といかに密接な関係があるかどうかが
大きなポイントだったですが、今後はそれじゃ済まない状況のようです。