2023年1月13日(金)配信
昨年の記事に引き続き、建設業の新卒離職率についてです。
厚生労働省が昨年(2022年)10月に公表した
「新卒3年以内の離職状況」(平成31年3月卒業者まで)資料からです。
建設業における高卒と大卒の3年以内離職率は前回書きましたが、
他業産業と比べると、やはり建設業の離職率は高いのでしょうか?
こちらがその資料です。
◆新卒3年以内離職率、建設業と他産業比較
https://www.rise-jms.jp/media/construction/a966最新の平成31年値(3年以内離職率なのでH31が最新)で、
高卒と大卒のデータは以下の通りとなっています。
高卒の離職率は、全産業の平均が【35.9%】のところ、
建設業は【42.2%】で「6ポイント」ほど高くなっています。
全18産業中、建設業より離職率が低い(良い)のは10産業、
建設業より離職率が高い(悪い)のは7産業でした。
一方、大卒の離職率は、全産業の平均が【31.5%】のところ、
建設業は【28.6%】で「3ポイント」ほど低い結果になっています。
全18産業中、建設業より離職率が低い(良い)のは8産業、
建設業より離職率が高い(悪い)のは9産業です。
建設業の離職率って、
高卒は平均より高いですが、大卒は平均より低いんですよね、
ちょっと意外でした。
この調査結果には退職理由などの記載がありませんが、
高卒の離職率が、大卒のそれより高い理由は、
・高卒は技能職(職人)への就職も多く仕事のギャップが大きい
・大卒は人事・総務など事務系職もあり、その離職率は低い
・大企業は大卒採用が多く、企業規模が大きいほど離職率は低い
・そもそも753現象(前回記事参照)は加齢によって起きている
などが考えられます。
いずれにせよ、世間一般の建設業のイメージからすれば、
新卒の離職率はそんなに極端に高いものではないように思いますし、
それだけ業界として定着に取り組んできた結果なのかも知れません。