2022年12月23日(金)配信
建設業はブラックで離職率が高い。
そんなイメージが世の中にありますが、
果たしてそれは新卒にも言えることなのでしょうか?
厚生労働省が今年(2022年)10月に公表した
「新卒3年以内の離職状況」(平成31年3月卒業者まで)で確認してみました。
高卒と大卒の3年以内離職率データがありますが、
まずはそれぞれについての経年推移を見てみましょう。
◆建設業の高卒3年以内離職率の経年推移
https://www.rise-jms.jp/media/construction/a967昔から「753現象(しちごさんげんしょう)」と呼ばれ、
会社に就職してから3年以内に中卒で7割、高卒で5割、大卒で3割の社員が
辞めると言われます。
(建設業だけの話ではなく学歴別の就職で全般的に言えるということです。)
このデータを見る限り、
確かに15年~20年前あたりは高卒の離職率は50%を超える感じでしたが、
直近の平成31年(2019年)あたりは、40%を少し超える程度です。
大卒はどうでしょう。
◆建設業の大卒3年以内離職率の経年推移
https://www.rise-jms.jp/media/construction/a96815年~20年前あたりの大卒離職率は30%台中盤でしたが、
直近の平成31年(2019年)あたりは、30%を切っています。
こう見ると、建設業の離職率は20年前あたりに比べ
高卒で13~14ポイント、大卒で7~8ポイント、改善された事になります。
これ、結構意外なデータじゃないでしょうか。
世間一般の建設業のイメージからすれば、新卒の離職率は高くなっている気が
しますが、実際の離職率は改善されています。
特に高卒は10ポイント以上の改善です。
この資料には「建設業」という区分しかなく、
技能職(職人)技術職(監督)内勤職などの内訳がなく、
また離職事由もないため離職率が改善されている理由は詳しく分析できませんが、
少なくとも新卒の離職率は良くなっている、という事実に間違いはありません。
では、
そもそも建設業の新卒離職率は他業種と比べてどうなのか?
次回、そのあたりを書いてみたいと思います。