2022年9月23日(金)配信
「BIM元年」と言われる2009年も既に”十年ひと昔”前になりました。
建築のBIMは、今どの程度まで普及しているのでしょうか?
大手ゼネコンの団体である日本建設業連合会(日建連)が、
2021年度に行った「BIM活用の実情把握に関するアンケート」
というものがあります。
日建連が3年毎に会員企業のBIM活用状況を確認するもので、
今回は2021年12月~2022年3月に建築の会員企業72社に実施し
40社から回答を得ています。
日建連なので、当然ながら国内の大手ゼネコンが対象なわけで、
要するにこの調査は「日本の建築BIM最先端企業40社」の最新のBIM
取り組み結果といってもいいでしょう。
膨大な資料から、いくつか気になるデータを拾ってみました。
▶BIMの導入期・使用ツール・モデラーの状況
https://www.rise-jms.jp/media/construction/a898まずは、そもそも大手ゼネコンはBIMをいつ導入したか?ですが、
さすがに大手だけあって「3年以上前から導入」が95%を占めています。
BIMが国内に入ってきた10年前以上から取り組んでいる会社も11社
ありますが、このグラフを見る限り中央値は5年くらいでしょうか。
使用ツールはメジャーな「アーキキャド」と「レビット」くらいかと思ってましたが、
重ね合せツールがいろいろあるようで、いまは混在状態のようですね。
何のツールもそうでしょうが、普及初期というのは製品が乱立します。
そういう意味では、BIMも現状で各社ツールが違うということは、
まだまだ普及初期と言えるのかも知れません。
そして、ここでの一番の課題は何といっても
BIMを操作する「BIMモデラー」が不足している事です。
BIMモデラーの人員数について、回答40社のうち、なんと9社もが
「確保できておらず将来も充当できない」と回答しています。
BIM導入6年以上の”ベテラン企業”でも26社中、2/3に当る17社もが
「将来不足」を予想しています。
やはりBIMはCADと違い、そこそこなリテラシーが必要な割には、
まだ需要も少なく高待遇な訳でもなく、なり手が少ないのかも知れません。
大手ゼネコンと言えどBIMモデラーの確保には苦労しているようです。
次回、BIMは設計や施工管理でどの程度活用されているのか課題は何か
具体的な数字を見ながら書いてみようと思います。