2022年9月9日(金)配信
皆さんご存知の事かと思いますが、
建設業では職人の派遣は法律で禁止されています。
古くからある反社による人夫出しや安全面に不安がある等が
その理由とされています。
(施工管理については派遣は可能です。)
職人の高齢化、人手不足が超がつくほど深刻になっていく中、
人材派遣を解禁すれば加速度的に人材の供給がなされるのではないか、
と我々人材サービス業界では言われています。
300万人以上いる職人のマーケットが解放されれば
技能職(職人)派遣には数えきれないほどの人材会社が参入してきます。
現在の施工管理派遣に参入している会社数を見れば一目瞭然でしょう。
とはいえ、国にその動きは全くありません。
人材サービス会社に職人の派遣を解禁する気配は今のところ見当たりません。
ですがタイトルにもある通り、職人の派遣が可能になりそうな動きが、
最近国交省でありました。
前回のメルマガでも紹介しましたが、先月8月に発足した国交省の
「持続可能な建設業に向けた環境整備検討会」にこんな資料があります。
2004年頃、構造改革特区の提案として検討された、
”業者同士で職人を融通し、派遣を行う場合の例外規定”について
https://www.rise-jms.jp/media/construction/a886”企業同士が仕事量に応じて職人の貸し借りを行う制度”について
”一人親方が主になっている供給事業(派遣)”について
https://www.rise-jms.jp/media/construction/a887これらは、明らかに1次以下の下請け工事会社を念頭に置いたものです。
行政(国交省)としては、現在の派遣法など法的な背景を鑑みると
人材サービス会社の派遣はダメだが、工事会社ならOKという考えでしょう。
ここには、まだ具体的な議論・意見や方向性は出ていませんが、
職人の人手不足を解決するには、待遇面を良くして入職者を増やすと
いうのが恐らく国交省の考えのはずです。
待遇(賃金UP、月給制、昇給制、社保完備、週休2日や有休など)を
良くするには「職人の社員化」が一番の早道だと思われますが、
それには”閑散期”の問題がどうしても出てきます。
「社員化しても、仕事が無かったらどうするのか?」
それが工事会社の大きな不安であるはずです。
で、そこを解決するために今回のような議論が出てきたのでしょう。
「そのときは派遣していいよ!」と。
以上は、あくまで当社の予想であり、国交省がそういう方向性を打ち出して
いる訳ではあませんが、こういった資料を見る限り「職人の派遣」については
今後なんらかの動きが出てくることは間違いないと思います。
近い将来、職人の派遣は日常茶飯事になっているかも知れませんね。