環境アセスメント士とは?
環境アセスメント士とは、環境アセスメントに専門特化した資格制度である。資格を取得するには、環境アセスメント士試験に合格後、登録が必要だ。
環境アセスメント士は、環境アセスメントに専門特化した次の実務等において、専門的な技術・技能を有し、その実務を的確に行うことが可能だ。
・環境アセスメントに関する環境の調査
・予測及び評価の実施
・環境保全措置の検討
・環境影響評価図書の作成・支援
環境アセスメントとは「環境影響調査」のことで、大規模な開発事業を行う場合に、事前に環境への影響を調査・予測・評価を行い、深刻な公害や自然破壊を防ぐための制度である。
■資格の分類
環境アセスメント士は、2つの部門に分類される。
①生活環境部門:大気環境、水環境、土壌環境、廃棄物、温室効果ガス等
②自然環境部門:動物、植物、生態系、景観、人と自然との触れ合い活動の場等
■受験資格
次のいずれかの要件を満たす者が受験可能である。
・四年制大学を卒業後、環境アセスメント関係業務の実務経験年数5年以上の者
・大学院修了後、環境アセスメント関係業務の実務経験年数3年以上の者
・上記以外は、環境アセスメント関係業務の実務経験年数8年以上の者
■試験概要
主催 :一般社団法人 日本環境アセスメント協会
受験料:12,000円(税不明)
登録料:15,000円(税不明)5年間 登録の更新には
試験内容:専門Ⅰ-1および専門Ⅰ-2は各120分、共通Ⅱは1・2合わせて90分
・専門Ⅰ-1業務経験 各専門とする部門の業務経験等 記述式 2,400字以内
・専門Ⅰ-2専門知識 各専門とする部門の技術・知識 択一式 40問
・共通Ⅱ-1共通基礎 法制度・手続き・環境全般の基礎知識 択一式 20問
・共通Ⅱ-1管理技術 実務の管理技術力、技術者倫理 択一式 10問
■資格取得のメリット
以下の観点から環境関係業務を行う企業への転職に有利である。
・環境省の総合評価落札方式業務において、認定者であることが加点要素となる
・国土交通省の環境関係業務(環境アセスメント、自然環境調査等)において、認定者であることが管理技術者の資格要件となっている
・東京都における環境関係業務において、認定者を従事させることが履行条件となっている
・沖縄県における環境影響評価業務において、認定者であることが主任技術者の要件となっている
■資格保持者の人数
829名(2023年1月10日現在)
■直近の受験者数&合格率
〇生活環境部門
2021年度の受験者数は22人、合格者数は17人、合格率は77.3%と言う結果だった。
〇自然環境部門
2021年度の受験者数は40人、合格者数は29人、合格率は72.5%と言う結果だった。