防火管理者とは?
防火管理者とは、多数の者が利用する建物などの「火災等による被害」を防止するため、消防計画を作成し、防火管理業務を計画的に行う責任者である。
一定規模の防火対象物の管理者は、有資格者(※)の中から防火管理者を選任し、防火管理業務を行わせなければならないと消防法で定められている。
■防火管理者資格の種類
防火管理者になれる施設の範囲によって甲種・乙種の2種類がある
甲種:すべての施設で防火管理者になれる
乙種:建物の用途と収容人数により、比較的小規模の建物の防火管理者になれる
例えば、特定用途なら延面積300㎡未満・収容人員30人未満が対象
■防火管理者に選任されるための要件(※有資格者)
①防火管理業務を適切に遂行することができる「管理的、監督的地位」にあること
②防火管理上必要な「知識・技能」を有していること
上記②において、次に該当する学識経験者または防火管理講習の受講修了者は、防火管理上必要な「知識・
技能」を有していると認められる。
■学識経験者とは
・市町村の消防職員で管理的または監督的な職に1年以上あった者
・労働安全衛生法第11条第1項に規定する安全管理者として選任された者
・防火対象物点検資格者講習を修了し、免状の交付を受けている者
・危険物保安監督者として選任された者で、甲種危険物取扱者免状の交付を受けている者
・鉱山保安法第22条第3項の規定により保安管理者または保安統括者として選任された者
・国または都道府県の消防の事務に従事する職員で、1年以上管理的または監督的な職にあった者
・警察官またはこれに準ずる警察職員で、3年以上管理的または監督的な職にあった者
・建築主事または一級建築士の資格を有する者で、1年以上防火管理の実務経験を有する者
・市町村の消防団員で、3年以上管理的または監督的な職にあった者
■防火管理講習の概要
実施者:
・都道府県知事
・消防本部及び消防署を置く市町村の消防長
・一般財団法人 日本防火・防災協会(総務大臣登録講習機関)
日程:甲種2日・乙種1日の講習
受講料:甲種8,000円 乙種7,000円(税込み)
講習内容:
【甲種】
・防火管理の意義及び制度
・火気管理、施設・設備の維持管理
・防火管理に係る訓練及び教育
・防火管理に係る消防計画
【乙種】
防火管理の意義及び制度、火気管理、施設・設備の維持管理、防火管理に係る訓練及び教育、防火管理に係る
消防計画のうち、基礎的な知識及び技能
修了試験: 20分10問の効果測定、7問以上正解で修了証がもらえる
合格率は100%に近く、講習を受講すれば資格の取得は容易だと言われている。
資格取得後に消防署に選任届を提出して、承認されて初めて防火管理者になれる。
出典:消防庁ホームページ(https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/jieisyobou8.pdf)