ZEH-M（ゼッチマンション）とは？
ZEH-M（ゼッチマンション）とは、年間の1次消費エネルギー量の収支をゼロまたはゼロに近づける環境に優しい共同住宅である。
Net Zero Energy House Mansionの略称で、ゼッチマンションと読む。
1次エネルギー消費量の対象となるのは、「暖冷房・換気・給湯・照明」で、テレビや冷蔵庫などの家電製品は対象外だ。
住まいの断熱性・省エネ性能を上げること、太陽光発電などでエネルギーを創ることにより実現を目指す。
断熱性能を高めることによって、従来のマンションに比べて、冬はより暖かく・夏はより涼しく、快適な生活が送れるようになる。
また、室温との関係が知られているヒートショックや高血圧症、循環器疾患、熱中症等の予防や、身体活動の
活性化の効果が期待でき、より健康的に暮らすことが可能だ。
ZEHでは、住宅に太陽光発電設備などを備えつけてエネルギーを創り出す必要があるが、マンションは戸数が
多いわりに、設置できる屋上の面積が広くないなどの制約がある。
そこで政府は、あいまいだったZEH-Mの定義を明確にし、普及を加速させようとしている。
ZEH-Mには、4つのタイプがある。
住宅用途の階数によって、1次エネルギー消費削減率が異なる。
いずれの場合も、断熱や気密・防露といった性能を証明するZEHの外皮基準を満たしていることが必要である。
・ZEH-M
地上1～3階建てのマンションの要件とされるZEH基準を満たすマンション。
基準値からのエネルギー削減率が、再生可能エネルギーを含んだときに100%以上、含まないときに20%以上であること。
・Nearly ZEH-M
地上1～3階建てのマンションの要件とされるZEH基準を満たすマンション。
基準値からのエネルギー削減率が、再生可能エネルギーを含んだときに75%以上、含まないときに20%以上であること。
・ZEH-M Ready
地上4、5階建てのマンションの要件とされるZEH基準を満たすマンション。
基準値からのエネルギー削減率が、再生可能エネルギーを含んだときに50%以上、含まないときに20%以上であること。
・ZEH-M Oriented
地上6階建て以上のマンションの要件とされるZEH基準を満たすマンション。
基準値からのエネルギー削減率が、再生可能エネルギーを含まず20%以上であることが条件となっており、
再生可能エネルギーを含む場合の要件と再生可能エネルギーの形態の要件には基準がない。
マンションの制約上、太陽光発電設備などによる再生エネルギーを期待しづらいことから、階数が高くなるほど再生エネルギーによる削減の基準を緩めている。
また、住棟単位（専有部及び共用部の両方を考慮）と住戸単位（各々の専有部のみを考慮）の両方について、
ZEH の評価方法を定めている点も特徴だ。
