TLS(地上型レーザースキャナー)とは?
TLS(Terrestrial Laser Scanner)とは、地上型レーザースキャナーのことで、3Dレーザースキャナーを三脚で特定の位置に据えて行う3次元レーザー測量である。
Terrestrial:地上
Laser:レーザー
Scanner:スキャナー
レーザーを照射することによって、対象物の空間位置情報を取得するものである。
短時間で膨大な点群データを取得でき、面的な形状を把握することも可能だ。
地上設置型の3次元レーザー測量のため、移動式に比べ高い精度で測量可能である。
また、広範囲にデータを取得できるのが特徴だ。
TLSは、2019年4月に国土交通省の地上型レーザースキャナーを用いた出来形管理要領(案)舗装工事編が
改訂され、今後の利用が増加されると見込まれている。
測定は、ターゲットとTLSを設置ターゲットのスキャンと計測スキャンを行うことを何度か繰り返し
3Dデータを取得し処理するという流れで行う。
器械が正しく整準されているか、計測表面が障害物により遮蔽されていないかなどに注意が必要だ。
※整準・・測量器械の鉛直軸をその地点の鉛直方向に合わせ、器械の中心を測標に一致させる作業
ターゲットのスキャン方法には、次の2つの方法が用いられることが多い。
・器械点・後視点法:結合精度が高く、長い路線や複雑な形状の現場に有効
・後方交会法 :器械設置を任意の場所で行いたい土木・建設現場で有効
ターゲットには、チェッカ・レトロリフレクタ・スフィア・プリズムなどが使用される。
【TLS利用のメリット】
・面計測を行うため、再現性が高く精度の向上が期待できる
・点群データとなるため、視覚的に状況把握が行いやすく業務効率が上昇する
・360度プリズムもターゲットに利用可能
【TLSの留意点】
・路面の計測で、レーザー入斜角が小さくなると計測精度の低下に繋がる
・レーザー面は放射状に広がるため、測定面が遠い場所などは計測密度が低下する
・基層・表層の材質により同じTSLを用いても計測差異が生じる
・路面に勾配がある場合、登りと下りで計測密度が異なる(登りの方が高い)
【TLSが向いている現場】
・路面補修工事
・河川堤防
・ゴルフ場
・グラウンド
・急傾斜地
・文化財
※出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/constplan/content/001475938.pdf)