ALPS処理水とは?
ALPS処理水とは、放射性物質を含む汚染水を浄化処理した水である。原子力建屋内で燃料デブリに触れて放射性物質を含んだ水を「汚染水」と言う。
汚染水から、トリチウム以外の放射性物質を規制基準以下まで取り除いたものが「ALPS処理水」だ。
ALPS(多核種除去設備)を用いて処理を行うことからALPS処理水と呼ばれる。
汚染水とALPS処理水は安全性の面で大きく異なる。
「トリチウム」は自然界にも存在する水素の仲間で、水道水や食べ物・体の中にも存在するもの。
水の中からトリチウムだけを分離することは極めて困難である。
一方で、発生する放射線のエネルギーは非常に弱く、環境や人体への影響はほとんどない。
福島第一原発のALPS処理水の入った巨大なタンクは1,000基を超え、必要な設備を建設するスペースが圧迫されている。
災害時の倒壊リスクも考え、処理水の処分を行う必要がある。
ALPS処理水を安全に処分することは可能だが、風評被害を考慮し専門家が6年以上にわたり議論を行ってきた。
2021年4月、政府はALPS処理水の海洋放出を行う方針を決定。
国際原子力機関も海洋放出は科学的根拠に基づくものであり、国際慣行に沿うものと評価している。
福島では今も1日あたり4,000人の作業員が廃炉作業に携わっている。
ほとんどの場所で防護服は不要となり一般的な作業服での作業が可能。
復興の後押しをするためにも、ALPS処理水が広く理解されることが求められる。
※出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/hairo_osensui/pdf/alps_02.pdf)