自己修復材とは?
自己修復材とは、破損箇所を自ら修復する素材のことである。自己治癒材とも呼ばれる。
自己修復材を使用すると、製品寿命の延命や、メンテナンスの軽減につながる。
現在、様々な分野で自己修復材の研究が進んでいる。
コンクリートに生じたひび割れを、自ら修復する自己治癒コンクリートも、そのひとつである。
コンクリートには、微生物と、その養分となる乳酸カルシウムが加えられている。
コンクリートにひび割れが生じると、そこから酸素と水が流入する。
すると、コンクリート内部の微生物が活動を開始し、乳酸カルシウムを取り込み、炭酸カルシウムを生成する。
これにより、ひび割れをふさぐ。
微生物はひび割れがふさがると活動を休止し、休眠状態となるが、再度ひび割れが発生すると活動を再開する。
コンクリート会社「會澤高圧コンクリート株式会社」が自己修復するコンクリートの生産技術を確立した。
2020年11月から、製造を開始している。
自己修復材は、環境問題を解決するカギとなりえる。
コンクリートの原料であるセメントを生産する過程で、大量の二酸化炭素が発生する。
コンクリートを長持ちさせることで、二酸化炭素の排出を軽減することにつながる為である。