ペロブスカイト太陽電池とは?
ペロブスカイト結晶構造を持つ化合物を用いた太陽電池のことである。
ペロブスカイト太陽電池は、軽量で折り曲げることができるため、設置場所を選ばないことから、太陽光発電の普及拡大に貢献することが期待されている。
■ペロブスカイト太陽電池の開発を推進するための施策
グリーンイノベーション(GI)基金において、「次世代型太陽電池の開発プロジェクト」が始動しており、政府の後押しによってペロブスカイト太陽電池の開発が進められている。
2030年の社会実装化を目指し、積水化学工業株式会社、株式会社東芝をはじめとする複数の企業が参加し、開発を進めている。
■ペロブスカイト太陽電池の特徴
(1)メリット
・低コストで生産できる
少ない工程で製造でき、材料費も従来の物よりも1/20程度と安価であるため、低コストで生産できる。
・光の吸収力が強く、エネルギー変換効率が良い
発電ロスが少なく、弱い光を電力へ変換できる
・材料を国内調達できる
材料に希少性の高い金属を使用しておらず、調達しやすいヨウ化鉛やメチルアンモニウムを使用している。
海外に依存せずに主な材料であるヨウ素を確保できるため、国内製造のサプライチェーンを確立することができる。
(2)課題
・耐久性、安定性が低い
紫外線、湿度などの外部環境の影響を受けやすく、性能が安定しない。
・寿命が短い
開発当初と比べ、耐用年数は10年程度まで伸びているものもあるが、シリコン太陽電池の耐用年数に比べると短い。
■ペロブスカイト太陽電池の社会実装化に向けての取組
社会実装化の実現には、産業化を進めることが要となるため、今後政府は
①量産技術の確立 ②生産体制の整備 ③需要の創出 に取り組んでいくとしている。
(参考:経済産業省|資源エネルギー庁)
