技術提案評価SI型とは?
仕様や工法の変更で品質向上が期待できる工事を対象に、VFM※1の考え方に基づいた技術提案が求められる入札制度である。本制度は2025年度より新たに施行される。
※1VFMとは
Value for Moneyの略称で、「支払う金額に対して最も価値の高いサービスを供給する」ことを意味する。
民間の資金や経営能力・技術力などを活用し、公共施設の建設や維持管理・運営を行う場合に最も重要な考え方である。
■技術提案評価SI型の導入が想定される技術提案テーマ
従来の方法で技術提案が出にくかった省人化や、脱炭素化に貢献できる工法などを促進するテーマが想定されている。
【想定される技術提案テーマ】
・工期延期のリスク回避のための提案
・作業員の安全性を向上させるための提案
・点検が困難な箇所へ維持管理性の高い工法の提案
・脱炭素化につながる工法
■技術提案評価SI型が適用される工事
発注者による仕様設定が可能な工事のうち、技術提案に基づいた仕様や工法の比較的軽微な変更によってさらに品質が向上する見込みのある工事が対象となる。
■入札の流れ
・当初仕様の予定価格と、提案で要する費用を含む概算費用を明示する。
・発注者は提案内容の適格性と実現性を評価し、技術点の一部として加点する。
・提案内容に関して第三者委員会に意見を求め、採否を発注者が決定する。
・増額の上限は予定価格の5%とし、契約後、発注者の指示による契約変更を行う。
■期待される効果
・技術提案に基づく仕様の変更が可能となることから、品質・脱炭素化・安全性の改善につながる提案が出やすくなる。
・材料費コストが高く、導入されにくい傾向にあった価値の高い資材が活用されやすくなる。