i-Constructionとは?
2016年よりスタートした国土交通省が進める取り組みで、ICTを活用して建設業界の生産性を向上させ、担い手確保に向けた労働環境の改善や働き方改革を進めるプロジェクトである。
2024年4月、現在のi-Constructionをさらに深化させたi-Construction2.0が発表された。
■i-Constructionの3つ施策と成果
i-Construction は、2025年までに建設現場の生産性を20%程度(2015年度比)向上させることを目指し、3つのトップランナー施策を推進した。その成果は次のとおりである。
【i-Constructionトップランナー施策】
・ICTの全面的な活用(ICT土工)
ドローンを用いた調査・測量や3D CADを用いて施工計画や完成図を作成。
ICT建設機械を活用し、施工の高精度化および効率化を図る。
・全体最適の導入(コンクリート工の規格の標準化等)
現場ごとに用意していたものを標準化し、コスト削減や生産性向上に繋げる。
・施工時期の平準化
年間の工事量の偏りをなくし、一時的な人材不足や人的コストの増加を防ぐ。
【成果】
ICT土工・コンクリート工の規格の標準化を中心に進めた結果、2022年度における成果は
・ICT施工を実施した国交省直轄工事は87%
・2015年度比、生産性向上率は21%
となり、目標を達成している。
■i-Construction2.0 の目標と施策
i-Construction2.0は建設現場における生産性をさらに高める内容となり、その目標と施策は次のとおりである。
【i-Construction2.0 の目標】
・2040年までに3割省人化し、生産性を1.5倍に向上させる。
【i-Construction2.0 トップランナー施策】
・施工のオートメーション化
自動施工を安全に行える環境を整えるとともに、AIを活用した施工計画作成や無人建機を用いた遠隔施工の普及を進める。
・データ連携のオートメーション化(デジタル化・ペーパーレス化)
BIM/CIMを本格的に活用し、調査→設計→施工→維持管理といったプロセスをデジタル化・3次元化し、関係者間で情報共有を可能にする。
・施工管理のオートメーション化(リモート化・オフサイト化)
施工管理や現場立会検査のリモート化やプレキャスト部材の活用など、省力化を推進する。
このようにi-Construction2.0は、建設業界に従事する人材の定着率の向上、業界イメージ向上に向けて、オートメーション化をさらに進める内容となっている。
(参考:国土交通省 i-Construction2.0~検察現場のオートメーション化~ 令和6年4月)