スロープセイバーとは?
バックホウに吹付アタッチメントを取りつけてモルタル吹付工法を施工し、斜面の浸食や崩壊を防ぐ補強技術である。
リアルタイムで吹付厚を計測できるLiDARを用いると、施工をしながら品質を管理することも可能である。
本技術は、国土交通省が運用する新技術の活用のためのデータベース、NETISにも登録されている。
■スロープセイバー使用のメリット
使用するメリットは次のとおりである。
①工期短縮が可能
広い範囲を施工できるため、工期短縮が可能である。
繊維補強モルタルを用いた場合、金網張りの工程を省略することもできる。
②施工人員の省力化
吹付作業を機械化することで、施工に必要な人員を減らすことができる。
③品質の向上
大容量ポンプ吹付方式を採用しているため、配合割合1:3の富配合のモルタルの使用が可能になり、品質が向上する。
④作業環境の向上
作業員の高所作業が少なくなることや、袋セメントからの粉塵の発生がなくなることから、作業環境が向上する。
■適用範囲
吹付アタッチメントは2種類あり、それぞれの適用範囲は次のとおりである。
低所用アタッチメント … 高さ8mまで勾配制限なし
高所用アタッチメント … 高さ17mまで45度以上ののり面に対応可能
このように、対象となる斜面の高さや勾配によって使い分けられるため、大規模のり面や災害現場に適応することが可能である。
■施工方式
施工方式にはプラントを移動させながら施工する方法(牽引式)とプラントを定置して施工する方法(定置式)の2種類があり、特徴は次のとおりである。
①牽引式
台車を牽引して施工をするため、配管長やホース長の制限を受けずに施工ができる。
②定置式
配管長・ホース長に制限を受けるため、場合によってはプラントの移動が必要となる。
■施工時の注意点
施工時は次のポイントを確認し、施工条件に合う方法を検討する必要がある。
・進入路の幅
・牽引台車の使用可否
・のり面の直高、勾配が施工方式に応じた範囲であるか
・施工ヤード、プラント設置ヤードの広さに十分なゆとりがあるか
・ホースや配管の必要な長さ
・生モルタルの供給ペース
・施工条件に適合したコンクリートポンプの選定