トラフィカビリティ(trafficability)とは?
建設機械が走行できる地盤かどうかを表す指標のことで、コーンペネトロメータ(ポータブルコーン貫入試験器)で測定する。
測定結果は、コーン指数(qc)で表され、値が大きいほど機械が走行しやすい地面であることを示し、値が小さい場合は、地盤の改良や作業方法などの工夫が必要となる。
■ポータブルコーン貫入試験器について
ゆっくりと垂直にコーンを地面に貫入させ、コーン貫入抵抗値を求める。
測定値の平均値を地盤の評価に用いるため、測定は2回以上測定場所近くで繰り返し行う必要がある。
コーン試験器には、単管式と二重管式の2種類があり、測定したい深度によって使い分ける。
・単管式…深さ3~5mまで対応
・二重管式…単管式よりも深く計測可能
(注意点)
地面の質や特徴を調べ、作業の安全性を確保するのに重要な測定であるが、人力で作業するため、硬質土や砂層の測定は難しい。
■トラフィカビリティを低下させる要因と対策
主な要因には、
・粘性土や有機質土において水分の含有率が高い
・土壌の粒度分布において粘度・シルト分が多い
・火山灰質粘性土でのこね返し
などがあり、安全に作業するための主な対策として、次の4つが挙げられる。
【トラフィカビリティ低値の際の主な対策例】
①使用機械を工夫する
・接地圧が低い、クローラー型の建設機械(ブルドーザー)を使用する
②地盤の改良を行う
・セメントや石灰を用いて土壌を安定させる
・乾燥させて土壌の含水比を下げる
・過剰な水分を除去するために地下排水溝などを設置する
③作業方法を工夫する
・同一轍の走行回数を制限し、地盤の劣化を防ぐ
④一時的な作業路の設置
・鉄板や木材を敷設することで地盤との接地面積を増やし、荷重を分散させる。