防火設備検査員とは?
建築基準法に基づく国家資格で防火設備の定期点検と報告を行う専門職である。
点検対象は、大規模な建物や特定な用途を持つ建物(商業施設・オフィスビル・ホテル・病院・学校・公共施設)となっており、これらの防火設備の安全確認と法令遵守がなされているかを点検し、報告する。
■防火設備検査員の役割
防火設備検査員の役割は次のとおりである。
1.防火設備の定期検査
定期検査は、目視点検と作動試験を行う。
・目視点検…防火扉の開閉の妨げとなる障害物の有無、シャッター降下ラインなど
・作動試験…防火扉・防火シャッターの全閉鎖試験、専用感知器作動試験
2.報告書作成
検査結果を記録した報告書を作成し、建物の管理者や行政機関などへ報告する。
■防火設備検査員の資格取得方法
受講資格や、防火設備検査員資格者証の交付申請までの流れを解説する。
1.受講資格について
次の①~⑦いずれかに該当する場合、受講が可能である。
① 指定の学科(建築学、機械工学または電気工学に担当する過程)を修了し、所定の実務経験年数がある場合(学歴によって必要な実務経験年数は異なる)② 防火設備に関する11年以上の実務経験を有する者
③ 建築行政において防火設備に関する2年以上の実務経験を有する者
④ 消防吏員として防火予防業務に関する、5年以上の実務経験を有する者
⑤ 感知器に関して消防設備点検資格者として5年以上の実務経験を有する者
⑥ 感知器に関して甲種消防設備士又は乙種消防設備士として5年以上の実務経験を有する者
⑦ 上記と同等以上の知識及び経験を有するもの
2.学科講習受講後の流れについて
防火設備検査員資格者証取得の流れは次のとおりである。
① 学科講習の最終日に、修了考査を受ける。② 修了考査合格者には実技講習案内が送付される。
③ 実技講習を受講する。
④ 講習修了証明書が送付される。
⑤ 講習修了証明書の交付日から3か月以内に、国土交通省ホームページ(建築:資格者証の申請等の手続きについて - 国土交通省 (mlit.go.jp))に沿って交付申請を行う。
(注意:証明書交付日から3か月を超えた場合、交付を受けられない。)