電気式コーン貫入試験器(CPT)とは?
電気式コーンを地中に静的圧入して行う地盤調査のことである。地盤の抵抗や間隙水圧のデータを連続的に取得し、物理的特性を測定する。
日本の従来の地盤調査法であるボーリング調査と比べ、CPTは速度が速く、コストも低いため、欧米で広く用いられている。
■電気式コーン貫入試験機(CPT)の概要
地中にコーン形状のプローブを貫入させ、その際に測定される先端抵抗(qc)、周面摩擦(fs)、および間隙水圧(u)の3つの要素を記録する。
これらのデータから、地盤の構成や強度、そして不均質性を正確に把握することが可能となる。
■電気式コーン貫入試験(CPT)のメリット
①地盤の層構造やその不均質性を高精度に把握できる
データは貫入量20mm毎に取得され、地盤の物理・力学特性を連続的に評価することが可能である。そのため、細かい層の見落としがなく、軟弱地盤の評価が適切に行える。
②地盤の特性を総合的に評価できる
取得したデータから、地盤の土質区分やN値、非排水せん断強度、先行圧密応力などの地盤定数を推定できるため、地盤の詳細なプロファイルを得ることができる。
③コストダウンと調査期間の短縮ができる
室内土質試験や原位置試験を省略できるため両試験にかかる費用や時間を削減できる。
■対応できる地質
砂質土や粘性土、有機質土、さらには火山灰地盤などにも対応できる。
ただし、非常に硬い地盤では、コーンの貫入がほとんど進まないため、正確なデータを得ることが難しい。そのため、ボーリング試験やサウンディング試験などを併用することが推奨されている。
(出典:三成分コーン貫入試験装置【CPT-mini】パンフレット soili_CPTmini.pdf (soil-design.co.jp))