免震動的性能認証制度とは?
実大免震試験機(E-Isolation)を用いて免振装置の性能を評価する制度のこと。令和6年7月1日より開始となった本制度により、免震構造の信頼性向上と、建物の安全性が高まることが期待されている。
■免震装置と免震構造について
免震装置は、地震の振動を吸収し、建物上部にかかる力を抑える役割がある。
免震構造は、この免震装置にダンパーを併用することで、地震による揺れを吸収するため、庁舎や病院で多く採用されている。
令和6年の能登半島地震においては、この免震構造を採用している病院が倒壊を免れ、地震後もその機能を継続できたという事例が報告されている。
■認証制度の種類
認証制度には動的性能認証と個別動的性能認証の2種類ある。
1.動的性能認証の特徴
・3年に1度、動的試験を実施し、性能が確認されたものに付与される。
・試験項目は、基本性能・動的性能・限界性能で、製品の中から無作為に選んだものを試験体として使用する。
・この認証を受ける免震装置は、一般的によく使われている物が対象となるため、建築物の規模にかかわらず広く用いられている。
2.個別動的性能認証の特徴
・建物に使用する免震装置に対し、個別に動的試験を実施し、認証する制度。
プロジェクト単位で動的性能試験を実施するため、大規模な免震構造をもつ建造物に有用な方法である。
・試験体には、実際に建築物に組み入れる製品を用いるため、試験項目は、基本性能・動的性能である。限界性能を確認する場合は、試験用の製品を準備する必要がある。