盛土規制法とは?
盛土規制法(正式名称:盛土等による災害の防止に関する法律)は、盛土による災害リスクを低減し、人命や財産の保護を図ることを目的としている。令和4年(2022年)5月20日に施行され、この法律により大規模な盛土を行う場合、事業者には事前に計画を届け出ることと、厳格な監督が求められる。
■盛土規制法創設の背景
令和3年7月に発生した静岡県熱海市の土石流災害をきっかけに、盛土に対する規制の強化が求められ、創設された。
■概要
1. 規制対象
盛土、切土、土砂の仮置きなどの土地造成行為が対象。
特に、一定規模以上の盛土が規制の中心となる。
2.規制区域
都道府県知事によって指定された区域のことで、地形や土質、過去の災害履歴などを考慮し、特に災害発生の可能性が高い地域等を規制区域として定めている。規制区域内で盛土を行う場合は、ルールに沿った運営が義務付けられ、違反した場合には厳しい罰則が科される。
3.盛土等の造成について
事業者は、安全基準に適合した盛土を造成しなければならない。
4.安全対策
排水処理や土砂崩れ防止措置を実施するなどの対策を講じなければならない。
5.許可申請から工事完了までの流れ
1)許可申請前
土地所有者の同意や周辺住民に対し、事前に工事内容を周知する。
2)許可申請
盛土を行う前に、その計画を都道府県知事に届け出る。
届け出には、盛土の目的、場所、量、施工方法などの詳細な情報を記載する。
3)工事着手
工事現場に許可を受けている旨の標識を掲出し、定期的に工事の施行状況を報告する。
工事完了後に確認できない工程については、中間検査を受ける。
4)工事完了
工事完了後、実施内容や成果を報告し、完了検査を受ける。