企業集団認定(監理技術者などの配置関連)とは?
特定の要件を満たす企業集団に対して、監理技術者の効率的な配置を認めるものである。以前より制度はあったものの、令和6年4月より、新たに企業集団内の出向社員に係わる取り扱いが定められ、さらに合理的に監理技術者を配置することが可能となった。
■制度創設の背景
建設工事を適正に行うため、工事現場には主任技術者・監理技術者補佐または監理技術者の配置が義務付けられている。通常、工事現場ごとに主任技術者・監理技術者補佐又は監理技術者を配置する必要があるが、監理技術者不足のため、元請け会社で直接雇用している者を配置することが難しい現状がある。そこで、認定を受けた企業集団内において出向社員が監理技術者として着任できる制度が創設された。
■企業集団制度の概要(建設業法に基づく技術者の配置)
1.企業集団内の出向社員を監理技術者等として配置する場合(3か月後等配置可能型)
1)概要
「親会社と子会社間」や「子会社間」で出向の社員を監理技術者等として配置できる
2)企業集団の要件
・親会社が会社法第2条の会計監査人設置会社であること。
・会社法444条の連結計算書類を作成している企業集団であること。
3)出向社員を監理技術者等へ配置するときの要件
・公共工事で親会社が元請けに限り、親会社と連結子会社間の出向において、出向先での在籍期間が3か月を経過していること。
・子会社間の出向の場合は、出向先での在籍期間が3か月を経過していること
2.親会社及びその子会社の間の出向社員を監理技術者等として配置する場合(即時配置可能型)
1)概要
企業集団確認申請をした企業集団の親会社と子会社間の出向社員を管理技術者等として配置することができる。ただし、出向社員が監理技術者等を担当する工事は、当該企業集団構成会社または当該親会社の非連結子会社が下請負人になることはできない。
2)企業集団の要件
・建設業者で構成された企業集団であること
・企業集団内に経営事項審査を受けていない企業が含まれていること 等
■期待される効果
企業集団認定制度は、建設業界における人材不足問題を解消し、効率的な工事運営を可能にするための重要な手段である。この制度を通じて、企業は限られた人材を合理的に配置することで、複数のプロジェクトを円滑に進めることや、工事の品質向上や現場の安全確保ができることが期待される。
出典:国土交通省
・建設産業・不動産業:企業集団制度について