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標準労務費とは?

工事施工に関わる技術者に支払う賃金の基準となる金額のことである。
公共工事で労務費を算出する際に使用される「公共工事設計労務単価」を地方公共団体や民間の工事にも広め、技術者の賃金水準の向上を図る目的で新設された。

標準労務費は「労務単価×労務歩掛」で算出され、労務歩掛は標準的な仕様条件で工種ごとに幅を持たせた設定となる。
標準労務費の設定は、2024年3月に閣議決定された改正案の中に含まれており、持続可能な建設業を目指すための取組の一つとなっている。

■標準労務費設定の背景
現在、請負契約締結の際、労務費の基準となるものがなく、以下の問題がある。
・建築資材が高騰すると、労務費を下げて帳尻を合わせる傾向がある。
・労務費などを適切に確保し、処遇改善に積極的な建設企業が競争上不利な状況にある。
・労務費の相場観が分かりにくいため、技術力に見合った報酬を設定しにくい。
その他に、建設業に係わる人材の減少と高齢化により、人材確保が難しいという問題もある。

そこで国土交通省は、建設産業の諸課題に対して当面講ずべき措置として、次の3つの観点から施策を取りまとめた。

〈建設産業の諸課題に対して当面講ずべき措置〉
 1.請負契約の透明化による適切なリスク分担
 2.適切な労務費等の確保や賃金の行き渡りの担保
 3.魅力ある就労環境を実現する働き方改革と生産性向上

標準労務費は、「2. 適切な労務費等の確保や賃金の行き渡りの担保」中に位置づけられ、そこには著しく低い請負代金による契約を禁止し、違反した事業者は指導・勧告の対象となることが示されている。


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出典:中央建設業審査会・社会資本整備審議会産業分科会建設部会
基本問題小委員会中間とりまとめ
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