セッティングビームとは?
橋桁架設工事で使用する仮設構造物のことである。
セッティングビームを用いた架設は、主に以下の順番で行われる。
① 架設する橋桁をセッティングビームで仮受けして、橋桁の荷重を橋脚や既設の橋桁などに伝える。
② ①を接続位置まで移動させたあと、橋桁の連結作業を行う。
このとき、移動させる方向によって、横にスライドさせる作業を「横取り作業」、ジャッキアップした状態から降下させる方法を「サンドル降下作業」という。
これらの作業は、河川上に架設する場合や供用中の道路施工時に使用されている。
【セッティングビーム設置上の留意点】
・設計について
セッティングビームに作用する荷重への耐性を照査し、安全性を確認しなければならない。ここで考慮すべき荷重とは、橋軸直角方向と橋軸方向の水平荷重に加えて、橋桁・セッティングビーム降下設備の自重である。
・荷重集中点について
セッティングビーム圧縮点架台・ジャッキ受架台・仮受架台部などの荷重集中点の安全性を照査する必要がある。
・横取り、降下設備について
セッティングビームにかかる鉛直荷重・水平荷重に抵抗できるもので、橋桁を支持できるものが必要となる。
セッティングビームを使用する工法は、地上で組み立てた桁を大型の機械を使って一括架設するため、全行程の短縮を図れるメリットがある。
工法の名称としては、大型自走式のクレーンを用いた「大型クレーン工法」、自走式の搬送車を用いた「大型搬送車架設工法」、大型のクレーン機能を持った船を用いた「フローティングクレーン架設工法」がある。
出典:
・一般社団法人 日本橋梁建設協会