段取り八分
段取り八分(だんどりはちぶ)
建設業界では、昔から口を酸っぱくして「段取り八分」と言います。
どんな業界どんな仕事に当てはまる言葉ですが、
建設業界では特に「段取り八分」が重要だと言われています。
段取り八分。
段取りは→準備、八分は→80%。
仕事をするうえでは準備をする事がとても大切で、
その準備が万全であれば仕事の80%は出来たも同然といった意味合いです。
なぜ建設業界は特に「段取り八分」が重要なのでしょう。
なぜ他の業界より、そう言われるのでしょうか。
理由は、建設業界は何ひとつとして同じモノを作ることがなく、
何ひとつとして同じ方法でモノを作ることがないからです。
同じ形の建物でも作る場所によって、
・地盤の軟らかさが違えば、建物の基礎となる杭の長さが変ります。
・沖縄に作るか北海道に作るかで、サッシの種類も変わります。
・隣に高い建物があれば、窓の位置や形が変ります。
更に工事の方法も、
・夏に作るか冬に作るかで、コンクリートの施工方法が変わります。
・都心で作るか田舎で作るかで、作業できる時間が変わることがあります。
・場所が違えば、モノを作る人(職人)が全く違ったりします。
同じモノづくりでも、
製品を工場で作るような製造業は「まったく同じ製造方法」で「まったく同じモノ」が
毎日が数百、数千と製造されますが、毎日「同じ」であれば段取りはそんなに必要ではありません。
場所や時期が違うことによって、
まったく同じモノ、まったく同じ方法で作ることがない建設業は、
より「段取り八分」が重要になってくるということです。