入札の総合評価方式とは?
公共工事の入札は長い間、金額の安さだけで工事をする業者を選んできました。
発注する役所側の工事予算が1億のとき、入札額が9000万のA社、同8000万のB社、同7000万のC社があった場合、落札者(工事の受注者)は金額の一番低いC社という制度でした。
ただこれだと、違法行為である 談合(業者間の話合いによる順番制受注など)や実績作りの安値受注、コスト面ばかりが重視された品質軽視の工事施工などマイナス面も多く、金額の安さだけを評価する入札制度の大きな課題でした。
こうした問題の解消を主な目的として公共工事において新設されたのが「総合評価方式」と言われる入札制度です。
総合評価方式では入札の際、業者は工事の金額と共に「技術提案」と呼ばれる工事に関する個別の提案が必要になります。新しい施工方法や独自の品質管理手法など、技術的な内容でなければなりません。従来の金額だけの提案から、業者が「金額」と「技術」2つの提案をし、役所側がこの2つの提案を総合的に評価することで前述したような課題を解決しようと生まれた制度です。
金額だけでなく、技術的な内容も含めて総合的に評価することから「総合評価方式」と呼ばれます。