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転職にベストな時期は?発注者支援業務の年間スケジュールを解説!

転職にベストな時期は?発注者支援業務の年間スケジュールを解説!


目次

 


 

「発注者支援業務で働きたいけど、転職にベストな時期ってあるのかな?」とお悩みでしょうか。

 

発注者支援業務は年契約で仕事をするので、できるならキリのいいタイミングで転職したいですよね。

 

今回は発注者支援業務の年間スケジュールを解説しながら、発注者支援業務へ転職するベストなタイミングを探ります。

 

発注者支援業務がどのように発注されるのかも併せて説明していますので、転職を検討している方はぜひご覧ください!

 

 

1. 発注者支援業務がスタートするまでの流れ

 

発注者支援業務が発注される仕組みは工事と同じです。

入札を通じて受注会社が選定されます。

 

また、入札内容も工事のときとほぼ同じです。

その業務を請け負う”金額”・これまでどのような業務を行ってきたかの”実績”・業務においてどのような提案を行えるかの”技術提案”が総合評価され、落札者が決まります。

 

ただ、工事の場合は工期が半年・1年など現場によって異なりますが、発注者支援業務の場合は業務のスタートが毎年4月1日とおおむね決まっています。

これは役所の1年度が4月1日〜翌3月31日までだからです。

 

よって、発注者支援業務は4月1日スタートで、1年契約もしくは2年契約、3年契約の3パターンに分かれることが基本です。

 

また、発注者支援業務が4月に開始されるまでには大きく3つの段階があります。

 

  • ・公告
  • ・資料受付期間
  • ・入札・開札

 

それぞれの段階については、次のパートから詳しく解説します。

 

公共工事の入札の仕組み・種類

公共工事は税金を財源とするため、よりよい工事目的物をできるだけ安価で得ることを目標としなくてはなりません。

 

そのため公共工事を発注する際は、不特定多数の希望者から最適な建設業者を選出するために入札が行われます。

入札の際は公平性と透明性が重視されます。

 

入札は主に3種類の方法があります。

 

①一般競争入札

入札情報を公告して参加者を募集し、競争によって契約者を選定する方法です。

「一般」と名が付いている通り、基本的に入札はすべてこの方法で行われます。

参加資格がある企業であれば、たとえ業務未経験であっても入札に参加できます。

海外の事業者も参加できるため、より安価でよりよい契約ができる点がメリットです。

 

②指名競争入札

発注者が参加者をあらかじめ指名し、指名された事業達で競争を行って入札する方法です。

参加者が限定されている時点でやや平等性にかけるので、あくまで例外的な場合のみ行われます。

しかし、一般競争入札と違って、参加者の募集期間が不要であるため、発注者にとっては時間短縮のメリットがあります。

参加者の方も、ライバルが少ないことや、発注者の目的がわかりやすいというメリットがあります。

 

③随意契約

競争入札の方法をとらず、任意で事業者を決定する方法です。

複数の事業者を指定し、コンペなどの形で競争をしてもらう場合もあります。

随意契約は公平性や透明性に反した契約方法であるため、限られた条件下のもとでしか認められません。

主には、目的物が特注である場合や、災害などで緊急を要しており、入札を実施する時間的余裕がない場合などです。

 

入札の評価基準について

入札において現在最も代表的な評価方式が”総合評価方式”です。

総合評価方式とは、価格評価点と技術評価点を総合的に評価する方式を指します。

 

価格評価は、平たく言うと”いかに安く業務を請け負えるか”を評価することです。

かつての入札ではこの価格評価のみが重視されていた時期がありました。

しかし「金額だけで評価するのはダメだ」という風潮が起こり、技術評価が加えられることになったのです。

 

国土交通省における大まかな技術評価項目は次の通りです。

 

評価項目

評価の着目点

予定監理技術者の経験及び能力

資格要件・その専門分野の内容・専門技術力

・業務遂行技術力・情報収集力・地域精通度

予定担当管理技術者の経験

予定担当技術者の専門技術力。業務遂行技術力

実施方針

業務理解度・実施体制

技術提案

本業務における留意点(的確性・実現性)

 

2. 落札までのスケジュール│公告

 

1つ目は公告です。

公告とは要するに「国土交通省の〇〇事務所で工事監督支援業務をやります」という仕事の案内が出されることです。

 

この公告が行われる時期はおおむね決まっており、12月下旬〜1月中旬となっています。

ちょうど年末から年始にかけて出されるということですね。

 

3. 落札までのスケジュール│資料受付期間

 

続いて申請書及び資料の受付期間について説明します。

 

公告を受けて「この発注者支援業務をやりたい!」と思った会社は、まず入札の際に必要な資料を作らなくてはいけません。

どのような業務を行ってきたかという”実績”や、「こういうことをやっていきます」という”技術提案”が含まれます。

 

この必要資料の提出期間は12月下旬〜1月下旬となっています。

公告が12月下旬〜1月中旬なので、せわしなく感じるかもしれません。

 

ただし、補足すると、おおよその発注予定は公告より前にすでに出されています。

国土交通省では「今年はこういう工事を発注します」といった年間発注計画が公告より数ヶ月前に出されるのが通例です。

それは工事も発注者支援業務も同じです。

 

特に発注者支援業務は発注内容が毎年大きく変わらないので、会社側もある程度余裕を持つことができます。

 

加えて、たとえば業務を請け負っている事務所との契約が今年で終わるとしたら、翌年からも引き続き仕事を取れることがあります。

よって会社も事前にある程度の準備はできるので、資料提出でそこまで慌てることはありません。

 

申請書や必要資料がすべて揃ったら、1月下旬の期限までに提出します。

 

入札前に発表される”民間競争入札実施要項”について

国土交通省では毎年11月〜12月頃に、発注者支援業務の入札における実施要項を案内しています。

 

内容はおおむね次の通りです。

 

  • ・対象業務の詳細な内容
  • ・確保されるべき対象業務の質
  • ・業務の実施期間
  • ・入札参加資格
  • ・入札参加者募集に関する事項
  • ・落札者を決定するための評価基準
  • ・落札者の公表について
  • ・落札者が決定しなかった場合の取り扱い
  • ・業務者が使用できる国有財産について
  • ・業務を実施するにあたり、国の行政機関等の長等に対して報告すべき事項
  • ・秘密保持やその他業務を適性かつ確実に実施するための契約事項および措置
  • ・業務を実施するにあたり第三者に損害を加えた場合の賠償責任について

 

業務内容の詳細は各入札公告により公示されますが、発注者支援業務の入札に関するおおまかな情報は、この実地要項にて事前に知ることができます。

 

4. 落札までのスケジュール│入札・開札

 

こちらでは入札・開札について説明します。

 

おおまかな流れは以下のようになります。

 

  1. 1. 「この金額でやりたい」と複数の業者が入札してくる
  2. 2. 開札する
  3. 3. 最も適している会社を選定する

 

入札・開札が行われるのは2月中旬〜下旬です。

そして最終的に落札者を決定するのが2月下旬〜3月中旬です。

場合によっては、決定が3月末のギリギリになることもあります。

 

しかし、どれだけギリギリに選定されても、業務スタートは4月1日と決められているので、通勤圏外で新しく住居を借りなければいけないような人は忙しくなりますね。

そのため、会社によっては、従業員のためにしばらくの間ビジネスホテルを用意することもあります。

 

5. 発注者支援業務への転職は年間スケジュールに合わせるべき?

 

ここまで発注者支援業務の年間スケジュールを説明しました。

 

しかし「発注者支援業務への転職において、年間スケジュールを考慮すべきか?」に対する答えは「ノー」になります。

 

特に、1級または2級の土木施工管理技士を持っていて、転職をしたいと考えている30代ぐらいまでの若い人なら、転職時期を気にする必要はありません。

今は高齢化が進んでおり、発注者支援業務も若い人材が不足しています。

よって、発注者支援業務の経験者ならなおさら、未経験者でもまずは会社の門を叩いてみることをオススメします。

会社によっては、まず内業から経験させてくれるところもあるからです。

 

一方、60代後半〜70代の人がいつでも転職していいのか?というと話は少し変わってきます。

この場合は、国土交通省のスケジュールを見ながら、会社といろいろ話し合った方がいいかもしれません。

 

ただいずれの場合でも、会社側は1月〜2月あたりに翌年度の人員配置を調整するため、その調整より前に入社していた方が良いです。

 

発注者支援業務の契約期間中に人員が増えることはある?

発注者支援業務は年契約で仕事を行いますが、途中で人員変更の可能性もあります。

 

たとえば当初の予定では定員3人だったところを、途中から4人に変えるという設計変更のケースがあります。

その場合、社内に適当な人材がいればいいのですが、いないときは求人募集をかけたり、派遣会社へ依頼することもあります。

 

土木施工管理技士とは

土木施工管理技士とは、施工技師管理士国家資格の1つです。

工事現場における主任技術者や監理技術者になるためにも必須の資格で、1級・2級ともにそれぞれ第1次検定・第2次検定と2度の試験が行われます。

第1次検定合格時は”〇級施工管理技士補”になり、第2次検定に合格すると”〇級施工管理技士”となります。

 

各級の試験内容は次の通りです。

 

■2級

2級は一般建設業の土木工事で”主任技術者”として施工計画を作成し、工程管理・安全管理など、施工に必要な技術上の管理などを行います。

試験では”土木”・”鋼構造物塗装”・”薬液注入”の3つの種別から選択します。

 

【土木】

 

試験区分

試験科目

内容

第1次検定(マークシート式)

土木工学等

土木一式工事の施工に必要な土木・電気・機械工学および建築学に関する知識

設計図書を正確に読むための知識

 

施工管理法

土木工事の施工計画の作成方法及び工程・品質・安全管理など

管理方法に関する知識・能力

 

法規

建設工事の施工に必要な知識

第2次検定(記述式)

施工管理法

土質試験や土木材料の強度等の試験を正確に行うことができるか

試験結果に基づき、工事の目的物に必要な強度を得るための措置を行うことができるか

設計図書に基づいて工事現場の施工計画を適切に作成・実施できるか

高度の応用能力・知識を測る

 

 【鋼構造物塗装】

 

試験区分

試験科目

内容

第1次検定(マークシート式)

土木工学等

土木一式工事の施工に必要な土木・電気・機械工学および建築学に関する知識

設計図書を正確に読むための知識

 

鋼構造物塗装施工管理法

土木工事のうち、鋼構造物塗装にかかる工事の施工計画の作成方法及び工程・品質・安全管理など

管理方法に関する知識・能力

 

法規

建設工事の施工に必要な法令に関する知識

第2次検定(記述式)

鋼構造物塗装施工管理法

鋼構造物塗装にかかる土木材料の特性を正確に把握することができるか

鋼構造物の防錆など、工事の目的に必要な措置を行うことができる。

設計図書に基づいて土木一式工事のうち、鋼構造物塗装にかかる工事の施工計画を適切に作成・実施できるか

高度の応用能力・知識を測る

 

【薬液注入】 

 

試験区分

試験科目

内容

第1次検定(マークシート式)

土木工学等

土木一式工事の施工に必要な土木・電気・機械工学および建築学に関する知識

設計図書を正確に読むための知識

 

薬液注入施工管理法

土木工事のうち、薬液注入にかかる工事の施工計画の作成方法及び工程・品質・安全管理など

管理方法に関する知識・能力

 

法規

建設工事の施工に必要な法令に関する知識

第2次検定(記述式)

薬液注入施工管理法

薬液注入にかかる土木材料の特性を正確に把握することができるか

地盤の強化など、工事の目的に必要な措置を行うことができるか

設計図書に基づいて土木一式工事のうち、薬液注入にかかる工事の施工計画を適切に作成・実施できるか

高度の応用能力・知識を測る

 

■1級

1級は特定建設業の土木工事において”主任技術者”または”監理技術者”として施工計画を作成し、現場における工程管理・安全管理など工事施工に必要な技術上の管理などを行います。

 

試験区分

試験科目

内容

第1次検定(マークシート式)

土木工学等

土木工事の施工に必要な土木・電気・機械工学及び建築学に関する一般的な知識

設計図書に関する一般的な知識

 

施工管理法

土木一式工事の施工計画の作成方法及び工程・品質・安全管理など

工事の施工の管理方法に関する一般的な知識

 

法規

建設工事の施工に必要な法令に関する知識

第2次検定(記述式)

施工管理法

土質試験や土木材料の強度等の試験を正確に行うことができるか

試験結果に基づき、工事の目的物に必要な強度を得るための措置を行うことができるか

設計図書に基づいて工事現場の施工計画を適切に作成・実施できるか

高度の応用能力・知識を測る

 

まとめ

今回は発注者支援業務の転職時期に良いタイミングはあるのか?をテーマに、発注者支援業務の年間スケジュールを説明しました。

 

今回説明した発注者支援業務の年間スケジュールは次の通りです。

 

  • ・入札公告…12月下旬~1月中旬
  • ・資料受付期間…12月下旬~1月下旬
  • ・入札・改札…2月中旬~下旬
  • ・落札者の決定…2月下旬~3月中旬(3月末ギリギリになることもある)
  • ・業務スタート…4月1日

 

結論、発注者支援業務の転職のベストタイミングをいつ!と断言することは難しいことです。

 

ただ若い方で有資格者であれば、経験者・未経験者を問わず転職時期を気にすることはありません。

 

一方、経験者であっても60代以降の方になってくると、なかなかそうはいかないかもしれません。

その場合は今回説明したスケジュールを踏まえて会社と相談しながら調整し、自分に合う働き方を検討するようにしましょう。

 


 

この記事の内容は以下の動画で解説しています。

理解を深めたい方はこちらの動画もご覧ください。

 

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