株式会社ライズ

  1. HOME
  2.  > 
  3. 発注者支援業務で働きたい方へ
  4.  > 
  5. NEXCO(ネクスコ)と国交省│同じ工事監督業務でも決定的に違う点は?
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

NEXCO(ネクスコ)と国交省│同じ工事監督業務でも決定的に違う点は?

NEXCO(ネクスコ)と国交省│同じ工事監督業務でも決定的に違う点は?

この記事は以下の記事の続きです。

前の記事を読んでいない方は、こちらの記事もご覧ください。

 

発注者支援業務・工事監督の仕事内容は?17年の経験者が徹底解説

https://www.rise-jms.jp/media/aim_orderersupport/a716

発注者支援業務の1日の流れは?残業や休日は取れる?仕事内容をより具体的に説明!

https://www.rise-jms.jp/media/aim_orderersupport/a712

 



目次

 


 

 発注者支援業務とは、公共工事の発注者を支援する業務です。

 

発注者には国や自治体などさまざまな機関がありますが、発注者の違いによって発注者支援業務の仕事内容にも違いはあるのでしょうか?

今回はNEXCOと国土交通省の”工事監督業務”について、その違いをご紹介します。

 

それぞれのメリット・デメリットも解説していますので、NEXCOと国土交通省の違いについて興味のある方はぜひご覧ください!

 

 

1. NEXCOと国土交通省における”工事監督業務”の違いについて

 

NEXCOと国土交通省の工事監督業務で最も大きく異なる点は、”積算が付いてくるかどうか”です。

 

国交省では、Aという人が積算業務を担当したら、工事を監督する工事監督業務はBさんが担当します。

しかしNEXCOの場合は、Aさんが積算業務から工事監督業務まで一貫して担当するのです。

もちろん、積算に伴う数量拾いや特記仕様書の作成などの仕事も行います。

この点が最も大きな違いですね。

 

■積算の業務内容について

正式名称は ”積算技術業務”で、主な仕事は公共工事に必要な費用を算定することです。

この費用を算定するには、設計図面から数量を求める必要があります。

これを”数量拾い”と言います。

数量とは、面積はもちろん、材料として使うコンクリートの数量や重量といったあらゆる単位のことです。

かかる人の作業量や時間などの単位も求めます。

 

トータルの工事費用を導き出すには、工事にかかるすべての数量を算出し、そこに単価を掛ける形です。

よって、数量拾いに抜けがあると、費用そのものに影響を及ぼす可能性があります。

 

■特記仕様書とは

特記仕様書とは、工事物の品質を確保するために、工法や使用機材など、施工の技術面や細かい部分について記載した書類です。

工事の内容説明や注意事項など、標準的な項目を記載した”標準仕様書”とは異なり、特記仕様書には図面に記載できないような詳しい情報まで記載されます。

特記仕様書の主な内容は次の5つです。

 

  1. 1. 工事の目的
  2. 2. 工事の範囲
  3. 3. 工事の工程
  4. 4. 事前協議の概要
  5. 5. その他工事に関する詳細など、重要度の高い情報

 

2. 積算・工事監督をどちらも引き受けるメリット・デメリット

 

NEXCOでは国交省と違い、工事監督業務と積算業務をどちらも行わなくてはいけません。

この見出しでは、2つの業務を1人で担当するメリット・デメリットについて紹介します。

 

積算・工事監督をどちらも引き受けるデメリット

積算・工事監督をどちらも引き受ける際の大きなデメリットは、単純に業務量が多いことです。

ではどのような理由から業務量の差が出てくるのでしょうか。

理由は大きく分けて5つあります。

 

  • ・工事の精通レベルが違うから
  • ・発注段階から関わるから
  • ・精算業務に携わっているから
  • ・現場確認の回数が多く、基準も厳しいから
  • ・検測があるから

 

それでは、順に説明します。

■工事の精通レベルが違うから

NEXCOでは積算業務と工事監督業務を1人の人間が担当するので、その工事に対する精通の度合いは国土交通省の比ではありません。

工事のすべてを把握していると言っても過言ではないでしょう。

 

■発注段階から関わるから

“国の発注者支援”だと、協議や書類の作成を1からこちらがやる必要はありません。

しかしNEXCOでは工事の発注段階から技術員が行うので、必要な文書の起案もすべて自分で行うことになります。

 

■精算業務に携わっているから

基本あってはならないことですが、積算で何か抜けがあって、施工で発覚したとしましょう。

それが原因で現場に変更が出るとなると、新単価を作らなくてはなりません。

それを技術員がしなくてはいけない点もNEXCOの特徴ですね。

 

【積算業務に抜けがあった場合の影響について】

積算業務においては、数量×単価=金額で工事に必要な費用額を求めていきます。

 

しかし積算のミスがあり、施工に支障が出る場合は新しい単価を作り直さなくてはいけません。

これを新単価と言います。

この場合、受注側である建設会社の請負代金額にも影響が生じるので、単純に金額を変更するだけでなく、協議の必要などもあります。

 

■現場確認の回数が多く、基準も厳しいから

段階確認においては、NEXCOの方が臨場が多いと思います。

NEXCOの施工管理基準は国とは少し体系が違うので、細かい話で言うと”配筋のピッチ”も少し異なります。

いずれにしろ、NEXCOの方が全体的に厳しいイメージですね。

 

【臨場とは】

臨場とは、施工現場へ赴き、施工の段階、仕様通りの材料を使用しているかの確認や、立会いを行うことです。

現在はWeb カメラ等による映像と音声の双方向通信を使用して、段階確認・材料確認・立会いを行う”遠隔臨場”も普及され始めています。

 

【”配筋”と””ピッチ”とは】

配筋とは、工事にあたって鉄筋コンクリートを配置すること、鉄筋コンクリートを組み立てることを指します。

現場では「柱の配筋をする」といった使われ方をします。

鉄筋コンクリートは、それが柱に使われるのか、梁(はり)に使われるのかといった部材ごとに配筋の方法が異なってくるのです。

 

また、配筋を行う際は等間隔で鉄筋を割りつけていくのですが、この間隔を”ピッチ”と言います。

ピッチは記号と数字で表現され、”D10@200”と書いてあれば、「直径10mmの鉄筋を200mmの間隔で配筋する」という意味です。

 

■検測があるから

書類先行で工事が進んでいく点は、国土交通省もNEXCOも変わりありませんが、NEXCOの場合は、”検測”という独自のシステムがあります。

 

たとえば交通規制をかけ、道路を1日かけて舗装したとします。

工事が終わった段階で規制を解除し、すぐ車が通れるようになったら、もうその時点で”目的物を引き取った”という体になりますよね。

つまり完成して引き渡した状態なので、そこまで完成したものを技術員がすべて測定し、確認する作業が必要になるということです。

 

【検側とは】

文字通り、検査のために測定を行うことです。

出来上がった工事物が設計図面通りに出来ているか、状態に問題はないかを測定して確認作業することを指します。

 

積算・工事監督をどちらも引き受けるデメリット│まとめ

国土交通省であれば”積算”と”工事監督”が分かれているところを、NEXCOではどちらも担当する必要があります。

最も大きなデメリットは、業務量が大きく増えることです。

またNEXCOの方が検査・確認の頻度が多く、検査の基準も厳しいので、さらに労力がかかることもデメリットとして挙げられます。

 

しかし一方で、積算業務と工事監督業務を両方引き受けるメリットもあるようです。

 

積算・工事監督をどちらも引き受けるメリット

NEXCOでは積算業務と工事監督業務のどちらも担当することになるので、その分スキル面の向上には繋がると思います。

国土交通省で工事監督業務を担当する場合、数量拾いくらいはするかもしれませんが、積算業務をすることはありません。

よって、いくら年数を重ねても業務の幅・スキルの広がり方には限界があるかと思います。

 

余談ですが、NEXCOで発注者支援業務をしていた人が国土交通省に来ると、言葉は悪いですが、「楽だな」と言う人が多いくらいです。

 


 

この記事の内容は以下の動画で解説しています。

理解を深めたい方はこちらの動画もご覧ください。

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加