2023年6月23日(金)配信
国土交通省が建設キャリアアップシステム(CCUS)による
4段階のレベル別年収を公表した事が話題になっていますが、
そもそもCCUS自体はどの程度普及しているのでしょうか?
今年2023年3月末時点での登録状況は以下の通りです。
▶CCUSの登録状況は?
https://www.rise-jms.jp/media/working_constructionindustry/a1080技能者(職人)は全国で114万人が登録しています。
厚労省のR4労働力調査で「建設業技能者数」は302万人ですから
およそ職人の3人に1人が登録していることになります。
一方、事業者(建設会社)の登録は21.8万社。
うち一人親方が7万あるので企業数なら15万社程度でしょうか。
全国の建設許可業者数は約47万社で、そのうち事業としてアクティブな
会社は半分以下だと言われているので、仮に23万社とすれば、
そのうち15万社登録なので、許可業者の2/3が登録している計算です。
「就業履歴数」というデータも出ていて、
これはカードリーダー等での履歴がどの位登録されたかという数字です。
これが2023年3月で過去最高の438万履歴とのことですが、
分母となる数字が出ていないため、この登録数が多いのか少ないのか
正直判断できません。
そこで、職人を抱える工事会社の団体である
一般社団法人建設産業専門団体連合会の2022年アンケートから
カードリーダーの設置状況を見てみました。
会員企業とその下請企業827社から回答を得ています。
下請をすることが多い工事会社に対して
「貴社の現場で、ここ1年CCUSカードリーダー等で入退場した現場は
全体の何割ですか?」
という質問に対して回答が出ています。
▶CCUSのカードリーダー設置状況は?
https://www.rise-jms.jp/media/working_constructionindustry/a1081なんと827社のうちの1/4以上、230社が
「すべての現場にカードリーダーが無かった」と答えています。
現場での設置割合は20%未満だったと回答した会社は500社あり
6割を超えます。
このグラフでもカードリーダーの設置割合は増える傾向が見てとれますが、
それにしても未だ1/4の会社でカードリーダーにタッチする事さえできないのが
現状です。
建設キャリアアップシステムは、
文字通り職人のキャリアアップを目指すシステムですが
現時点ではまだその入口さえ入れない職人がいるのが現実のようです。