2023年3月24日(金)配信
国土交通省が先月2月末、
令和5年度の土木工事など積算基準の改定を公表しました。
国交省では、
工事などの実態調査に基づき必要に応じて積算基準を改定し、
全国の都道府県や政令市に情報提供していますが、
事実上、全国の自治体はこれに準じて運営を行っています。
令和5年度の新たな基準については複数の項目がありますが、
その中の一つにこんな項目がありました。
「朝礼や準備体操、後片付け等は、一日の就業時間に含まれるものであり
標準歩掛に適切に反映されるべきもの(後略)」
▶国交省/R5時間外労働規制の適用に向けた工事積算等の適正化資料より
https://www.rise-jms.jp/media/working_constructionindustry/a1034国交省が今回公表したのは積算基準改正の件ですが、明らかに
「朝礼やラジオ体操、後片付け」は一日の労働時間に入れて
その分の賃金をキチンと払いなさいよ、というメッセージに聞こえます。
来年2024年4月から始まる建設業の残業規制に向けた伏線であることは
間違いないでしょう。
国交省は、週休2日制の導入やICT・DXによる労働時間の削減など
建設業の働き方改革に積極的ですが、
今回は積算基準を使って労働時間の精査まで踏み込んできた感じです。
いまはSNSが普及し、どんな事でも可視化される時代になりました。
若者の利用が多いtwitterではサービス残業のツイートを見かけない日はありません。
来年、建設業の残業規制にスポットライトが当たれば、朝礼やラジオ体操は
SNSの恰好のネタになることは間違いありません。
他の業界では朝出勤してユニフォームに着替える時間は労働時間に入れないのか
議論されている位ですから、もはや朝礼やラジオ体操は論外なのでしょう。
建設業で慣例や習慣としてきた事柄も、
この超人手不足の状況から国交省も率先してケジメをつけるようにしてる気がします。