#015 今年4月開始!国交省BIM/CIM原則適用

カテゴリ
建設企業向けメールマガジン 
タグ

株式会社ライズ

B!
2023年1月27日(金)配信


国土交通省が、
今年4月から原則適用を始めるというBIM/CIMですが、
工事現場では一体どの程度のことをするのでしょうか。


大手建設会社はともかく、
国交省工事の受注の大部分を占めるC・Dランクの地場工事会社で
BIM/CIMを駆使しながら工事施工できる会社というのは、
現状では圧倒的に少ないはずです。


この4月から本当に工事でBIM/CIMを使う事などできるのか、
実際にどこまでBIM/CIMを使わないといけないのか、
国交省が公表した資料から見てみたいと思います。


ちなみに
BIM/CIMの、これまでのスケジュールは以下の通りとなっています。


▶国土交通省/BIM/CIMの活用スケジュール
https://www.rise-jms.jp/media/construction/a835


4月からのBIM/CIM原則適用については、
国交省が発注する調査や設計などの「業務」と、
国交省が発注する「工事」の双方でほぼ全案件が対象となります。


具体的な活用方法、要するにBIM/CIMで一体何をどこまでするのか
については先月以下の資料が公表されました。
※必ず実施しなけらばならない「義務項目」のみ抜粋


▶国土交通省/令和5年度(2023年度)BIM/CIM原則適用の実施方針
https://www.rise-jms.jp/media/working_constructionindustry/a989


業務を除く工事施工に関する部分を見てみると、
まず目に留まるのが設計図書についてです。


「設計図書は2次元図面を使用し、
 3次元モデルは参考資料として取り扱うものとする。」
とあります。


工事でBIM/CIMを適用すると言っても、
基本はこれまで通り2次元図面を使うのであって
3次元(BIM/CIM)については、あくまで参考だよ、という話です。


更には、
「設計段階で3次元モデルを作成している場合」に限るとありますから
施工する工事の発注図面などが、そもそも3次元になっていなければ、
何もすることは無いという事になります。(極端に言えばですが)


また、仮に設計段階で3次元になっていても、
(工事の設計図書が3次元になっていても)
「3次元モデルを閲覧することで対応」すればいいとしています。


要するに、その3次元モデル(BIM/CIM)に対する
「作成・加工は含まない」と記載してありますから、
BIM/CIMツールを操作して何か加工したり修正したりする事はない、
という事になります。


今年、令和5年度(2023年度)から全ての工事でBIM/CIMを適用する
といっていた話は、確かにその通りなのですが、
公表された通り、あくまで「原則適用」であり、
BIM/CIMの「本格適用」までは至ってないようです。


国交省は、
適用年度を前倒ししてまで3次元の導入を進めてきましたが、
工事を受注する側の地場工事会社のBIM/CIM体制の準備不足を考えれば、
全工事の適用初年度としては順当な活用方針だと思われます。


建設企業向け ✉️ メールマガジンは、
建設の時事ネタを中心にニッチな情報をお届けしています。

以下フォームよりお申し込みいただければ、
ほぼ隔週で最新のメールマガジンをお送りします。

▶ https://www.rise-jms.jp/mailmagazine_form.html

関連記事

#057 クラウディングアウトへの反論

2024年11月5日(火)配信前回のメルマガで、公共土木が民間建築を押し退けてしまう「クラウディングアウト」の概要を書きましたが、ではなぜ財務省はクラウディングアウトを言い出したかです。ま、難しい話じ...

【検定改正】令和6年(2024年)1級[建築]施工管理技士2次検定の経験記述問題「設問2」→前年度に比べ設問が大幅変更!

【検定改正】令和6年(2024年)1級[建築]施工管理技士2次検定の経験記述問題「設問1」→前年度に比べ設問が大幅変更!

【検定改正】令和6年(2024年)1級[建築]施工管理技士2次検定の経験記述問題「設問工事」→前年度に比べ設問が大幅変更!

【検定改正】令和6年(2024年)1級[建築]施工管理技士2次検定の経験記述問題「冒頭設問」→前年度に比べ設問が大幅変更!

#056 クラウディングアウトって知ってますか?

2024年10月21日(月)配信皆さん、「クラウディングアウト」って知ってますか?和訳は「押し出す、押し退ける」といった意味のようですが、これ、今年(2024年)6月、財務省の財政制度分科会というとこ...