#009 残業規制、大手ゼネコンは大丈夫?

カテゴリ
建設企業向けメールマガジン 
タグ

株式会社ライズ

B!
2022年9月28日(金)配信


2024年4月から、
建設業でも残業時間の上限規制が始まります。


あと1年半ほどですが本当に対応できるのでしょうか。
いまの工事現場を見る限り、なかなか難しいと言うのが現状でしょうが、
今日は大手ゼネコンの残業規制対策がどこまで進んでいるのか
書いてみようと思います。


大手ゼネコンの団体である日建連(日本建設業連合会)が
2021年度の1年間における会員企業141社、10万人以上の
社員について労働時間の調査を行っています。


社員を「管理監督者」と「非管理職」に分けていますが、
これは残業規制の対象となるのが一般社員であって、
世間一般で言う、いわゆる”管理職”は対象外となるためです。


内訳は概算ですが、
管理職が4万人で、管理職以外が6万人、合計10万人です。


どこまでを管理職とするのか資料に記載がありませんが、
大手ゼネコンですから、統括所長や所長、現場代理人・監理技術者あたり
までは含まれ、


ただ、管理職は全体の4割で4万人もいますから、その下のポジションも
そこそこ含まれているのだと思います。


2024年からの建設業の残業規制は、
特例を踏まえて以下の4つが規制条件になります。
おそらく、これは中小だろうと大手だろうと同じになるでしょう。


 (1) 法定時間外労働が、年間で720時間以内

 (2) 法定時間外労働と休日労働の合計について、
  どの2~6か月平均をとっても、1ヵ月あたり80時間以内

 (3) 法定時間外労働と休日労働の合計が、1か月100時間未満

 (4) 法定時間外労働が月45時間を超えられるのは年間で6ヶ月まで


日建連は、
この数字を最終ゴールとして2019年から残業時間の目標設定をしています。


◆大手ゼネコン、残業時間の目標は?
https://www.rise-jms.jp/media/construction/a925


この表を見て分かる通り、
今年2022年3月までの目標は「年960時間以内」です。


単純に12ヵ月で割れば「月80時間」という結構な残業時間になりますが、
逆に言えば、月80時間を目標にするくらい建設業の残業規制は難しい、
という事でもあります。


そして、
今年2022年4月からの1年間は「年840時間以内」、
月換算70時間を目標にし、


来年2023年4月から(法改正の1年前)は、
前倒しで「年720時間以内」を達成したい意向のようです。


では一体、
大手ゼネコンの残業時間削減は目標通りにいってるのでしょうか。


次回そのあたりと
「管理職へのシワ寄せ」について書いてみようと思います。


建設企業向け ✉️ メールマガジンは、
建設の時事ネタを中心にニッチな情報をお届けしています。

以下フォームよりお申し込みいただければ、
ほぼ隔週で最新のメールマガジンをお送りします。

▶ https://www.rise-jms.jp/mailmagazine_form.html

関連記事

#066 職人の退職金1000万になります。

2025年3月18日(火)配信建設業の職人は、「現場で肉体労働をする割に待遇が良くないので若者に敬遠されがち」と言われてきました。若者の入職が少ないから高齢化と超人手不足がどんどん進んでしまう、国や業...

建設技能者(職人)への支払い賃金・労働時間把握のイメージ/国土交通省

#065 月45時間は無理です!by群馬

2025年3月4日(火)配信群馬県建設業協会が2月、会員企業に行った「時間外労働のあり方および賃上げに関するアンケート」の結果を公表し協会として提言を行ってます。まあ今はどこもそうでしょうが、アンケー...

#064 「多重下請け構造」どうして生まれた?

2025年2月18日(火)配信建設業は、未だ「多重下請け構造」だと言われますが、それは一体どうやって生まれたのでしょうか?なぜ多重下請け構造になったのでしょうか?今回は、この2月に発行されたばかりの書...

日本のマンションは全体の15%にあたる103万戸が旧耐震基準

日本のマンションは2030年には半数以上が築30年超に